【関係が痛い】上司と部下の症例
「人の上に立ったら、嫌われるのなんて当たり前のことだ」
私が以前、外部スタッフとして関わったクライアント企業の社員さんの言葉です。
その人はかつて、雇われ経営者としてオーナーに代わり、1億円の負債を解消した経験を持っていました。
客単価の小さな飲食店経営だったので、苦労も多かったといいます。
「薄利多売で1億返済」のミッションを課される現場が、部下が期待する職場の姿と一致するだろうか? イヤ、むしろ期待を裏切る可能性の方が高い。
私に回顧談を語ったその方は、部下想いで人当たりも良い方でしたが、それでもやっぱり嫌われたそうです。
部下から嫌われるという状態は、ほとんどの場合、あなたと部下が職場に抱く価値観が合わないことからスタートします。
『合わない価値観』という抽象的なものが、日常の中で一つひとつ具現化した結果が、各々に『ある種の感情』を抱かせるようになります。
部下にとって、価値観に合わないことを言われ、させられ、叱られることで生じる不満の象徴が『上司』というものであれば、良い感情を持ちづらくなるのは当然のことです。
「あの上司、意見が合わない」
といってるうちはまだいいほうです。
意見の衝突だから、嫌う対象が明確かつ部分的だからです。
しかし、エスカレートしてくると、「意見が違う」というところから逸脱して、人間そのものを嫌悪するようになります。
「顔を見るのもいや」、「言うことやること全部キライ」
「服がダサい。持ち物もダサい。汚らしい。近づかないで」
部下からそんな目で見られ、つっけんどんな態度を取られ、辛い思いをしている経営者(上司)の人も多いでしょう。
元はといえば『部下と意見が合わない』からです。
「会社には働きに来てるんだから、仕事に合わせて自分を抑えるのは当然だ」なんて口にしていられるのは、部下から嫌われていることに気づいていないうちだけです。
このページを読んでいる方には、「部下からどれだけ嫌われてもヘッチャラ」という方はまずいないと思いますので、この対策は重要と申し上げれば、このサイトの主旨は充分おわかりいただけるものと思います。
「上司と部下の痛み」~タイプ別症例と診断
症例別 痛みの種類 |
タイプ別 「痛みを感じる原因」 |
痛みの姿を分析する (ページ内の該当項目へ ジャンプします) |
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---|---|---|---|
症例1 | 部下が手ごわい | 気弱な上司タイプ | 弱気がもたらす痛み |
症例3 | 部下の話の聴き方がわからない | やさしい上司タイプ | 慈愛がもたらす痛み |
症例5 | 部下が自分より大局観がある | 戦略性のある部下タイプ | 進化がもたらす痛み |
快方★ | 痛い人間関係の解決へ | 働き手を魅了する組織 | 上司と部下と評価とおカネ |
ちなみに、『部下と意見が合わない』と共に『部下が意見を持っていない』という状態にも注意が必要です。
当初は意見を持つほど仕事に精通していなかった部下を、まだ不慣れだからと雑に扱ったときに、時を経て問題化する(嫌われ始める)ことがあるのです。
仕事に就いたばかりで実務には精通していなくても、部下は部下なりに、職場や上司や同僚への想いや意思は持っています。
そして、業務を習得したり、社内での居場所を確立するにつれ、部下の自我は増大されます。
それと同時に価値観も確立していくものですが、そこにはまったく無頓着で「アイツも最近ようやく仕事を覚えてきて、俺も楽になってきたよハハハ…」なんて、のんきに構えている上司も多い。
成長とは『経験による知識習得』だけと思っている上司にありがちな反応です。
部下が上司の思惑とは異なる価値観を持つこともありますから、そこを上手に扱う術を知らなければなりません。
部下が成長して実務を掌握するようになると、軌道修正は困難になるからです。
仕事の進め方でぶつかったとき、相当な損傷を覚悟しなければならないこともあり得ます。
(もしコイツがいなくなっても、いつでも別のヤツに任せられる。もしくは自分が引き取ってやっていける)
そう言い切れる自信はありますか?
任せた『別のヤツ』が、唯々諾々と従い続けてくれる確信はありますか?
別に、部下と100%意見を一致させる必要はありません。
せんじ詰めれば赤の他人なわけですから、互いの人生観や仕事観が違う部分はあって当然です。
そこで、以下の二つを意識して、部下と付き合えばよい。
『意見が合わない点を知る』
『まだ部下が充分な意見を持っていないことを知り、気づかせる』
これにより「嫌われる精神的ダメージ」と「事業の生産性ダメージ」は減少し、上司が教育者として成長できますので一石二鳥・・いや一石三鳥と言えるでしょう。
このサイトには現在、以下のコンセプトが存在します。
今の自分にとって関心の高いトピックから読んでいただければ結構です。
有力部下の扱いは難しい。
経験で叩き上げた結果、所々あなた以上の力を身に付けた部下…
元々優秀で、1を言うと3つも4つも先までを想定し鋭い質問を連発する部下……
そんな能力の高い部下が、もしもあなたに好意的でない場合、あなたは容赦ない攻撃を受けて傷ついたり、何かと部下の顔色をうかがうハメになったりで、心休まらぬ日々が続く…。
以前は仲良くやっていた部下と、最近なぜかギクシャクしだした。
揉め事に発展する前に、元通りの関係に修復したいと焦りを感じている…。
心優しく感受性の強い上司にとっては、こんな状態は判断力に差し支えかねません。要注意です。
このサイトでは、こういった有力部下を「パワーユーザー」と表現します。
元々の意味は「パソコンに詳しい人」を指すものですが、情報過多の現代では、ITシステムの取り扱いが従業員の作業の大部分を占めるケースが多いので、『業務に精通している人』をパワーユーザーと呼んでも、あながち誤りではないと考えています。
パワーユーザーは複雑化した組織の中で、膨大な情報の渦を、豊富な経験値にレバレッジを利かせて切り回します。
実力的には頼もしい。
しかしその力を以て居心地の良い場所に陣取り、周囲の人をいいように操り始める輩もいます。
上司であるあなたも、むろんその「操られる側」の一人です。
そんな厄介な相手と渡り合うために、まず複雑化した組織や業務を身軽にするとともに、「ITシステム」が業務に占める本当の役割や「パワーユーザー」という人種の正体をつかむことが大切です。
カウンセラーにはなれそうもない
素養が無くてもデータはある。データには、部下たちの「想い」が詰まっている。
「データベースから部下の心を読む? そういうのはシステムエンジニアみたいなIT系の仕事だろ?」というのは正しい。
でも、ITエンジニアはデータを「扱う」ことは出来ても『活用』はしないのが普通です。
『データベースで部下との関係を改善』なんてコンセプトは、エンジニアの手には負えない。
だからこれは、経営者・管理者として部下を抱えるあなたこそ、実行者にふさわしい。
文系上司のデータベース活用に必要なのは、プログラミング言語じゃなく、その文系的センスです。
バリバリ働く部下との会話が上手くいかない
その存在を発見できず、発見しても獲得できず、獲得しても加工できない。
そして、加工できても使いこなせない。
そんなレアメタルのような部下がいたとしても、普通は当たり前の仕事しかさせられない。
安い単価で安い仕事をさせ、月日が経つといなくなる……。
使いこなせないなら、どんなに価値があっても簿外資産にすぎません。
そんなレアメタル部下は、企業の中に大量に眠っている「使いこなせないデータベース」と同じです。
高い価値を生む休眠資産と同じく、ひとたびバランスシートに乗せることができたなら、これまでなかった2つの価値「休眠資産のオンバランス」「オンバランス資産の有効活用」を会社にもたらします。
しかし、そのことをどれだけ社内で説明し、いくつかを具現化しても、一向にムーブメントが起こらない。
「いやこれは便利だ」と、表層的な価値のみに満足し、そこで化学変化は収束する。
あまりにバカバカしいので、これを読んでくれるあなただけに、こっそり教えます。
なぜ私が「戦略的パワーユーザー」というものにこだわるのか?
これをお読みいただければわかると思います。
痛い人間関係の解決へ
人間関係だけを良くすれば、部下と良好な関係が作れるか?
答えはYESであり、NOでもあります。
部下にも自分の生活があり、人生がある。
金も地位も働き甲斐も、全てをひっくるめて自分の勤め先を評価して、このまま勤め続けるか辞めるかを判断します。
そのためには、会社側も『評価』と『給与』といったインセンティブをしっかりと仕組んでおかなければならない。
しかしこれこそ、規定が曖昧になる事柄の代表格であり、不満や怒り、羨望や嫉妬など悲喜こもごもの愛憎の素ではないでしょうか?
そこでここに、経営の重要なファクターである『成長カーブ』や『戦略と戦術』をガッチリ組み込んでみましょう。
このコンテンツでは、人材の段階別査定表や、戦略・仕組・戦術の能力を表現する俸給表も準備していますので、じっくり読んでみてください。