戦場に立とう、部下と共に
【症例1】部下が手ごわい (気弱な上司タイプ)
「イヤな上司」に匹敵する「扱いづらい部下」
そのほとんどは互いの相性など性格的なことが原因かもしれません。
そしてその部下がさらに、実力で武装されていた場合、厄介さはいやがおうにも増大します。
部下には通常、担当業務を与えているので、局地戦に強いという特徴を持っています。
上司にも踏み込めない聖域や無敵フィールドに立っていて、それを背景に対抗されて手を焼くこともあるでしょう。
部下はいつの間に、こんな風になってしまったのか?
素直な新人だった頃の、他愛もない会話で屈託なく笑い合えたあの頃が懐かしい・・
なんて追憶に浸っているわけにはいきません。
戦術で勝つことが難しい戦いを制し、部下を御するには「戦略」が必要です。
上司であるあなたのほうが、より色濃く組織を背負っているはず。
『組織全体の効果的な勝ち方』こそが戦略ですから、その視点に立って、効果的に部下を御するための方策を考えていけば、必ず流れは変わっていくでしょう。
部下扱いのセンスは学歴不問
【症例2】部下の話を聞く気が起きない (強気な上司タイプ)
便利さと引き換えにバリエーションを増した『上司を嫌うきっかけ』例
・ITツールに頼り切った雑な指導(自分用のメモをゴチャゴチャ注ぎ足した資料しか渡さない)
・さんざん資料を作れと命じるが、提出後のフィードバック無し
・マニュアルがまともに作れないのに、更新の操作権限を渡さない
・メッセージルールのセンスが悪い。メールが見つからないと言っていつまでも探してる etc.
余暇が文化を生んだように、静的な労働が主体になると、他人に対する掘り下げが厳しくなる。
旧来の粗雑な徒弟制度が身に沁みついた上司が、そのしっぺ返しを食らいやすい環境です。
謙虚な上司は、自分自身の振り返りにエネルギーを費やすかもしれませんが、もうひとつ振り返るべきなのが、職場自体に染みついたアナログ全盛時代のクセです。
これは是非、部下と力を合わせて変えていってもらいたいです。
部下の話を聞く気が起きない(強気な上司タイプ)
要領を得ない質問や相談が煩わしい
根気よく聞き取るのが面倒だから
「まとめてから話を持ってこい!」
「フローチャートや表を使って書け!」
「具体的な数値を入れてから出し直せ!」
言い方は様々ですが、要するに
「お前の話は聞かん!俺に理解してほしければ、お前が上手く歩み寄れ!」
ですね。
そうやって追い払えば、部下はしばらくやって来ない。面倒事の先延ばしも狙ってる…?
横柄な上司が好感をもたれる確率は決して高くありません。
それだけでなく、実はもっと色々な危険要素をはらんでいるのが、煩わしいからといって部下を粗雑に扱うこのコミュニケーションです。
DB活用は文系センス
【症例3】部下の話の聴き方がわからない (やさしい上司タイプ)
「アナログは非効率である」という前提で誕生した各種の機器全盛により、仕事の性質は大いに変化してきました。
特に情報化社会到来後は、業務データの量が飛躍的に増大し、その収集・管理・計算の腕前が職務能力の一翼を成すまでになりました。
そんな社会全般の流れから、膨大な情報の倉庫(データベース)と接点を持つ場合、やはりIT精通者、プログラミング技術者など理数系に強い人材に分があるのか?
そして、理系部下との折り合いが悪くなった場合、文系上司は喉元をつかまれたようなものなのか?
イヤ、別に理系部下だけじゃない。文系部下との間にだって、ITに入り込まれた影響なのか、針のムシロみたいな空気が漂っている。
文系・理系両方の部下と上手くいかない自分には、この情報社会の中で、もはやなすすべはないのか?
いいえ、違います。
なぜなら、データベースはあなたを嫌っていません。
敵対しているのは部下。人間です。
つまりはアナログです。
「感情」というアナログ部分が、あなたを認めず、あなたに反発しているのです。
そのアナログくんの業務上の行動・思考・言動の集積もデータベース。
つまりデータベースはアナログくんの行動記録なので、そこから感情を読み取ることもできますが、記録自体があなたを嫌っているわけではありません。
ちなみに、行動の記録から不特定多数の動きを予測するのはデータマイニングという、これも理数系の技術です。
しかし、特定部下の感情を読むのは、単なる機械的な計算ではない。
共に過ごした季節や時間、共に目にした成功やトラブル、認め合い・反目し合った過去の記憶の行間を読み、機微を察する作業には文系的能力こそ適しています。
繰り返しますが、データベースというのは行動記録です。人間のなにがしかの行動の集大成ですから、その中に必ず感情や人生そのものを包含しています。
難しいプログラムや複雑な機器操作は抜き。理系ではないことをむしろ強みにして、データベースに向き合っていきましょう。
実体験
【症例4】部下が会社を変えてしまいそう (型にはまらない部下タイプ)
私自身の体験です。
民間企業経験がないのに、会計事務所入所2週間でクライアント企業へ「会計のスペシャリスト」というふれこみで単身乗り込んだ元公務員。
企業が求めがちな一般的即戦力をまったく持たず、使ったことも無いデータベースソフト「Access」を武器に、毎日が大混乱の創立1年目ベンチャーの中で暴れまわる私。
クライアントの上司が、そんな荒くれ者を持て余しつつも、結果的に使い回すことに成功した機微の一端が見える話です。
部下が会社を変えてしまいそう(型にはまらない部下タイプ)
教育がうまくいかない
もしも「データベースで会社を良くする」というコンセプトを持っていて、上司に楽をさせられる部下がいるとしたら、それはどんなヤツか?
そんな新卒の学生みたいなことを言って入社してくる中途採用者なら、ほぼ間違いなく、企業が求める即戦力を持っていないはず。
だから、こけおどしみたいなセリフを吐く、何もできないヤツに違いない…と、そんな風に思われるのがオチでしょう。
でも、そうじゃなかったら…。
役人上がりで“即戦力”にならない私がとる方法はこれしかなかった。
ストラテジック・パワーユーザー ~ 戦略家で、且つ戦闘の達人
【症例5】部下が自分より能力が高そう (戦略性のある部下タイプ)
この「データベースのトリセツ」のサイトは、そもそも得体の知れぬ「戦略的パワーユーザー」という存在をどうやって表現するかの模索を目的に作りました。
【戦略的パワーユーザー】は、ふと浮かんだ、解明のヒントになりそうなことを書き止めていった記事で構成されていました。
しかし、「あまり曖昧なままにしておくのもどうか?」と思うようになり、新たに記事を書いて独立メニュー化してみました。
まずは、今日までに私の頭の中でなんとか形になった部分の概説からお読みいただければと思います。
パーティーメンバーを魅了する組織理論
【痛い人間関係の解決へ】 (働き手を魅了する組織)
世界観のアピールで顧客獲得に成功している企業はたくさんあります。
意図的か無意識かはともかく、世界観の作り方と見せ方がカギを握るのでしょう。
しかし、世界観で人を魅了する技術は、外向き(顧客向き)だけでしょうか?
良い社員を確保することは、良い顧客を獲得することに通じると思います。
ところで、ゲームをすることを不真面目だと決めつける人は、もはや少ないと思いますが、ゲーム性を持った会社運営をする経営者は、まださほど多くないと思います。
しかし『ゲーム世界への参加』を促す「顧客獲得と維持」「社員獲得と維持」は、どちらも同じ考え方で実現できないでしょうか?
もしも、ゲームをしてお金をもらえるなら・・
たくさんお金をもらうために、プレイヤーレベルを上げたい・・
プレイレベルと社内での地位は、どういう評価で決まっているのか・・?
こういったことを上司との会話で語り合えるなら・・
私だってそんな会社に勤めてみたいです。