部下のデータを読む訓練のコツ

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英語を学んでも上達しない最大の理由は、体験に基づく自信が得づらいからではないでしょうか。

視覚や聴覚の鍛錬だけでは経験値の積み上がりが実感できず、埋まらない期待値とのギャップに、早々に降参してしまうのが原因だと思います。

ところが、発音する体験を積むことで「英語学習」という関門を、割とあっさり通過する人がいます。

近年このスタイルで学ぶ人も増えてはいますが、まだまだ少数派でしょう。
コツは、得意な発音を一つ持つことから初めて、それに近い発音から徐々に制覇していくことだそうです。

自分が発音できる音は、聞き取ることもできる。
声に出した言葉は「習得済み」だからです。

努力なしに経験が積み上がるので、英語学習のハードルを下げます。
発音に自信が持てるから、スペルを見るとつい声に出してみたくなり、体験速度も早くなります。

私の小説「手のひらのDB」とは切っても切れない手相も、習得の要領は同じです。

初めのうちは手のひらを見ても、ゴチャゴチャした線が一杯で見るべきポイントが絞れない。
絞ってはみても解釈が合っているのか自信が持てない。
いざ解釈してしゃべってみたら、全然あたっていない。
そして早い段階で挫折してしまう。
それは、一度に全体を見て対処しようとするからです。

鑑定の実力は大概、線の解釈とトーク力の総和で決まることが多い。
そこで、理解している線の数が少ないうちは、得意な部分のトーク展開のバリエーションを増やします。

そうやって局所的な徹底強化を図り、とにかくコミュニケーションを成功させた実績を積むほうが習得の早道なのです(ちなみに、「トーク力」とは「トーク量」ではありません)。

生命線だけとか、恋愛と結婚に関係する線とか、まずはひとつの見方をメインにして得意技を持ち、それだけに集中して見ているうちに、周りの線の見分けがつくようになる。

初心者はそういう練習を積めるパターンを見つけ、最初にそれを実践することで、手相鑑定は上達するはずです。

同じように、部下の行動記録(感情記録)を読み解くIT素人ならではの術は、確実にあります。
パッと見ただけではポイントが絞れないデータの塊も、ここまで例を挙げた英語や手相のように、ひとつだけ得意な活用術を習得し、その繰り返しで上達することができます。

部下との関係の良し悪しが、組織に影響する度合いが大きくなり、それが創造性や生産性に直結するようになれば万々歳です。