第13回 <第4プロセス『統率性』(2)>

(手柄を他人に譲る才能・能力とは?)

「戦略とは見えざるもの」といいます。

この領域を担当する人は、その活躍が人目につかず、手柄を上げたのは結果を出した戦術担当者という形になることがほとんどです。

そのため、頑張った割には拍手喝采を受けことがない静かなる役回りを果たす、目立たない存在です(当人の性格次第ですが……)。

これこそ『四緑文鳥のコラム-2』でふれた、「フィクサー・参謀・軍師」の姿といえるでしょう。

この「②経験知識」の頃になると、なんだか1人前になれたような錯覚を起こしがちです。 「期待以上の早さで作業を終わらせた。ミスもほとんどなかった。 でも油断は禁物。「実るほど頭が下がる稲穂かな」だ。気を引き締めて次も頑張ろう」 大変立派です。

この「マネージャー」という役割には、チーム一丸で頑張るというより、一丸となったチームが高い成果を出せるような場作りの能力が求められます。

5process

プロセス5段階を展開⇒5プロセスの表を別画面で開きたい方はこちらからどうぞ

チーム力を高めるには、メンバーが伸び伸びと実力発揮できることが、なによりもまず重要です。

その為の「場作り」を大きく分けると、ソフト面とハード面の充実という要素に分かれるでしょう。
このふたつはトレードオフの関係になりがちです。

だいたいにおいて「カネが無ければチエで何とかする」となるでしょう。

ハード面充実の例を挙げると…

高スペックの機材調達
オフィスの立地や設備の快適さ
室内レイアウトの理想的配置  …など

たしかにこれらが整えば、スタッフの能率は上がるかもしれません。

しかし、小規模企業でそんな費用は捻出できたものではありません。

それになにより、設備や機材に大金をかけたからといって、人間関係までが良好になる保証はありません。

それよりも、ソフト面の充実を優先することが、特に小規模企業では切実なサバイバル技術になります。
ソフト面充実とは、たとえば以下のようなものです

教育制度
相互扶助の文化
生きがいや張り合いの提供  …など

これらを整えて生産性を上げ、得た利潤をハード面の充実に再投資するほうが、社員と会社が両輪の関係で成長していけるのではないでしょうか。

また、上に挙げたソフト面充実の要素で忘れてはならないもののひとつに「部下たちを前面に出す育成」があります。

頼れるリーダーが先頭で皆を率いるのは良いが、常にリーダーがいないと部下が力を発揮できないのでは、次代のリーダーが育ちにくい。

チームメンバーを鍛えて強くするというより、メンバーの力が自然と増幅される状況を作り上げるのがマネージャーの真骨頂です

チームが自動推進するよう努め、自身は徐々に身を引いてメンバーの後見をする一方で、ハードとソフトの充実度を上昇させるために手を砕く段階に入ります。

ソフト面の整備をしつつ、これまでいつもすぐ横にあるのに享受できなかったメリットを、現実のものにして行く努力に邁進するのです。
これも簡単に例を挙げると…

関連商品取扱いの権利取得
関連顧客層へのアプローチ許可取得
資材調達ルートの確保
ロジスティクス独自管理のライセンス獲得 …など

これまで業績アップの障害となっていた条件が除去されたり、事務のフラストレーションが軽減されるといった効果を呼ぶことで、チームは益々働きやすくなります。

(どれだけ大きなベクトルを作れるか?)

「社外の顧客」が“市場”なのはもちろんですが「社内の関係部署」も”市場”とみなすのが、組織力学の面白さです。

事業部門・管理部門の双方の視点に立ち、自分たちにとっての“市場”に対し、チーム力をどのように発揮したいかを定め、積極的に働きかけて影響力を増していくと、明らかに個人レベルとは違う広がりが実感できるでしょう。

広がった市場に見合うチーム拡大/新チームの設置により、マネージャーの活躍範囲はさらに広く深くなっていきます。

ここまでくれば、最終段階にコマを進められることでしょう。

(第13回 <第4プロセス『統率性』(2)> 終わり)

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