コラム-1 「職場への順応速度を上げる『用語』の使い方」

部下育成の3ステージ5プロセスの解説をスタートしましたが、前回の「①経験」はいかがでしたでしょうか?

5process

プロセス5段階を展開

なみに、この「①経験」の頃にポイントになるのは「用語」です。

⇒5プロセス表を別画面で開きたい方はこちらからどうぞ

新規配属となったときに、用意されたマニュアルや資料があるなら、普通はそれを最初から順番に習得していくでしょう。

私も基本的にはそうしますが、それよりも現場で会話として使われる単語や言い回しが、どんな具合に発され、受け止められているかに注目します。

「どんな具合」なんていうと抽象的すぎますね。
そこでもう少し分解します。

「その言葉を口にする時のイントネーションや、その時の表情」
「その言葉を聞いた側の相手のリアクションや、その反応速度」
「両者のやり取りの文脈に登場する、関係部署や関係者の名前」

たとえばこの3つだけでも良いと思います。

これらを「聞き取れるもの」「見て取れるもの」「感じ取れるもの」に分類し、別の人が使う時とのギャップがあればそれも何となく頭に入れておきます。
もちろんメモしても構いません。

これを何回か繰り返し、現場でその用語が使われるときの大体の傾向がつかめた時点でおもむろに、ズバリとその用語について質問します。

そこまでにある程度の見通しをつけているので、単に「言葉の意味」を聞くのではなく「この現場における流れや傾向」を聞き取るための質問をするのです。

要は、用語の使用実績を積みたいので、経験を積んだ人と「用語を使った会話」がしたい。

そのときに「○○って何ですか?」だけで自分のセリフが終わってしまうようでは、文字通り話にならないのです。

知識のない自分が、知ったかぶりにならないギリギリのラインで、その用語を使って会話するチャンスを捉え、無難なやり取りを成立させる。

英語を学んでも上達しない最大の理由は、体験に基づく自信が得づらいからではないでしょうか。 視覚や聴覚の鍛錬だけでは経験値の積み上がりが実感できず、埋まらない期待値とのギャップに、早々に降参してしまうのが原因だと思います。 ところが、発音する

早々に相手の言語圏に入り込めた場合「習得が早い人」という印象を持たれやすい

この「初期の印象がその後を左右する実例」はこれまで何度も経験しています。

新しい現場に入った初期段階で、接触した相手に「この人、理解が早いなぁ」と思わせることに成功することは重要なポイントです。

なにせ新人ですから、その後で少しオタオタして言葉が上手く出ない場面に遭遇することもありますが、そのときに問答無用にさえぎられ、話の腰を折られるケースが激減します。

【上記ケース(問答無用にさえぎられる)の解説】

の途中で「間が空く」「言い淀む」「言葉のアヤで誤解を生む」

いずれも職場でよく起きることですが、それが新人時代だと面倒なことになりがちです。
気長に待ってくれる上司や先輩もいますが、説明や質問の途中で強引にさえぎる人も多い。

言いたいことを口に出せないまま、長々と説教された経験はないでしょうか?

「言い方を間違えただけで、そこは理解しています」

そう訂正したいのに、相手が息まいてしゃべり続けるのでそれに付き合わされ、自分の仕事が止まってしまう……
新人にありがちですね。

しかし「この新人は理解が早い」と思わせておくと、このロスはかなりの確率で回避が可能。
これによって相当な時間のムダと、心の消耗が省けます。

(頭が悪いわけじゃない。
「新人はモノを知らない」という
周囲のイメージについ合わせてしまう)

むろん、本当にわからないことを、無理やり知ったかぶりする必要はありません。

しかし、些細なことで『できない奴レッテル』を貼られて面倒な思いをするのはまっぴら。

私にもそんな経験があるので、型どおりのマニュアル習得と併用してこの、キーになる用語を使ったコミュニケーションを心がけるようにしました。

新しい業務を理解するのは重要ですが、「パーフェクトに理解する」と「わかった状態に持ち込む」ことは、周囲の人たちから見た場合には別物に映っているのが現実です。

私はできるだけ早めに後者の状態を印象づけることを心がけています。

「①経験」に相当するような試用期間レベルなどに愛着を感じるものではありませんし、雇う側だって、そこは1日も早く抜け出てほしいと思っていることはわかりきっているからです。

とはいえ、用語の使い方があまりにも的外れだと逆効果ですので、その点は気を付ける必要があります。

(コラム-1 「職場への順応速度を上げる『用語』の使い方」 終わり)

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