戦闘力を高める秘訣

『秋山真之戦術論集』は巻末の表示を見ると「2005年12月10日 初版発行」となっています。
私が購入したのは発刊当初でしたが、内容や価格からして、発行部数自体は少ないでしょう。
良い本ですが、今や希少価値が高いかもしれません。

ところで、攻撃力に関する論述のごく最初の部分で、当時の私がマーカーを引いたところがあります。

「攻撃力のうち、定まった形を持たない『術力』は、有形の『機力』を活用することで顕在化し、一定の成功を得るもとになるものだ」という一文です。

元の文をちょっとだけ引用すると、以下の記述です。
「攻撃力の無形的術力は有形的機力を活用して其潜力を現力に変化し或る成功を為さしむるものにして・・・」
とあります。

術力とは人的能力のため決まった形を持たず、機力とは機械の形で誰でも見て触れることができる。
秋山真之のいう術力とか機力とかいう言葉は、そういう意味を持ちます。

術力がゼロではどんなに優れた兵器を持っていても効果はゼロになり(無限大 × ゼロ = 0)、機力が小さくても術力が大きければ、高い機力を使いこなせない敵よりも、むしろ攻撃力は高くなると言っています。

「基幹システムに金さえかければ、業務は低減して人減らしできる」と、術力の養成を無視して機力(スペック)ばかりを頼りにしたらどうなるか?

無用な高機能を誇示するシステムに振り回され、人を減らした分だけ残業代が嵩み、期待した効果がさっぱり得られない、という実例は枚挙にいとまがありません。

戦闘力=機力×術力 なのでそうなるのは当たり前です。
機力を金の力で調達するのはお手軽に思えますが、戦闘力は乗算であることを忘れてはいけません。

システム会社は機力を調達する役目しか果たしません。
術力の養成は自分たちの課題で、その出来次第で戦闘力は大きく変わります。

ほとんどの会社は術力の養成から目を背けて「システムさえ入れれば改善される」と、自社の課題を放棄し、乗算の乗数を自ら下げてしまいます。

また、術力が弱いと、機力の提供者(システム会社)をさらに頼るようになります。

高い機力は、ランニングコスト(保守契約や改修費用など)も高額なのが普通です。

しかし、これらの捻出はシステム導入とはステージが別になっているのも普通です。

そのため、導入で失敗していることへの実感はさほど高くありません(不思議ですが)。

結果として、組織自体が高コスト体質になってしまっていることには気づけません。

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