(9)低レベルのコストダウンは提案を台無しにする愚論

戦うために出したり引っ込めたりするアイテムとしてCD(コストダウン)は存在していたはずですが、それが使いこなせたのはトップだけであることがほとんどといえるでしょう。

そのトップにひたむきに追従してきた人たちにとってCDは「防具」。
攻めることには使えない。

ただひたすらに会社を(というか自身を)守るアイテムになり下がっていることが実に多い。
話を聞いていると、企画がどんどん痩せ細っていき、コンセプトが骨抜きになって苛立ちをおぼえることもしばしばです。

よしんばCDは仕方ないとしても、それで削った分を補うほどのアイデアは無いのか?

削ったことで弱まったコンセプトに対し、徹底的に頭を絞って補完案を提供すべきは、まず経験値の高いベテランこそ第一にその任を負うべきでは?

ニワトリがひとつ餌に群がって突きまわすように「CD!」「CD!」と言いながら新提案を引きちぎってボロボロにしたあげく

「提案をつぶしたのではない。スリム化したのだ。実施に必要な条件を加味したのだから、これで進めろ」と言われて情熱が失せた経験のある人って、口に出しては言わないまでも割と多いのではないでしょうか。

トップから見れば、若い世代の新発想を摘んでしまう「昔は若かった人たち」は、創造性はともかく、ロイヤリティが高く人情の機微や行儀作法もわきまえたベテランであり、あまり悪しざまに注意もできなくなっています。

若者たちが見ている前で「何やってんだオマエ。ちゃんと顔洗ってきたか? しっかりアタマ使え!」と、駆け出しの頃にしていた注意はできないでしょう。
いくら親しみがこもっていたとしても。

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