密やかな協力者~ランダムのネスト編38

「Bさんが役員に何言われたのか知らないですけど『10回中6回までの顧客接点で云々』へのこだわりが異常なんですよ」
うんざりしたような口調でM川が吐露する。

「元々『計画値だからランダムでないと効果がない』っていうのがBさんの鉄則だったわけだし、今まで有効データが100分率できっかり60出てなくたって、問題になんかなってないんです」

「それはそうだろう。だってあのデータはあくまでも“計画”なんだからさ。それに、そのあと事業所長たちがそれぞれの思惑で『イジル』んだから、最初のデータがよっぽどズレてなかったら、誰もおかしいとも思わないって」
安藤がM川の言葉を肯定する。

吉井がそれを受けて、自分たちの問題に置き換えた。
「M川。いま安藤が言った『よっぽどのズレ』ってさ……もしも『100分の30』だったら?……やっぱりズレてるってバレ……るのか。さっきそう言ってたよな?」

「そうだよ。じゃあ、どれくらいまでが誤差の範囲なんだ?」
他のメンバーたちも口々に疑問を口にし始めた。

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