密やかな協力者~ランダムのネスト編05

A氏にとって、東京事業部長B氏が主張する「事務作業において、プロジェクトの特殊性を認めない」という考え方は、大きなダメージの原因となる。

A氏のプロジェクトチームは、これまで自社で手掛けなかった分野の仕事だから、チームの活動には独特の特徴がある。

チーム発足以来「株式会社 四緑」の中では常識とされることが、世間ではいかに非常識かということを思い知らされてきた。

社内のぬるま湯の中では決して得られない経験が、A氏を成長させたのは言うまでもない。

そうやって、新しい価値観に適応することで成長してきたプロジェクトチームの活動が、事務作業の都合で制限をかけられると、せっかく好成績を上げている状態に水を差すことになる。

A氏がそのハンデキャップを克服するには、現場に相当な無理を言い、過大な負荷をかけなければならず、それはメンバーの心身に悪影響が出ること必至だ。

全く無駄なことを強いられる機会が増え、士気にも影響する。

A氏は会議でそのことを訴えるが、B氏の反対でいつも退けられる。

B氏の発言力が強い理由は、プロジェクトがこれまでに無いタイプの事業のため、役員をはじめとする幹部たちの想像力が及ばないせいだ。

A氏の言っていることが理解できないのである。

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