<第22回>なぞるだけでは付加価値にはならない

日産GT-Rの開発責任者・水野和敏さんの感銘深い言葉があります。

これまでにない車の開発にあたって、日産が持っている実験基準の約80%を改定したということです。

「車を開発する」とは、部品を作り、組み合わせてエンジンやボディを作るといったふうに、「ハードウェア開発」となるのが普通です。

ですが、ハード開発に専念できる理由は、日産が既に実験方法や耐久性などの基準(ソフトウェア)を持っていて、それに従えば『あとはハードだけを担当すればよい』というベースの環境が準備されているからのようです。

新しい概念で開発されるGT-Rには、その『基準』がありません。

水野さんが言うには

「『時速300kmでスタビリティがあるとか、250kmで片手運転できる』なんていう常識外れの基準は、社内のどこを探しても無い。自分たちで作るしかない」

「20万km走った後でも、設定したラップタイムで0.1秒しか落ちてはいけない時の耐久性基準なんて、想像の世界のものでしかない。でもそれを現実にするところまでが、GT-R開発という仕事のひとつである」

ハード以前に、ソフトを作らなければ、DoもCheckもできない。

でも、そのことを、誰も教えてはくれない。

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