<第21回>マニュアル作りに苦労した感じのする有名コンサルタント

神田昌典さんといえば、知的プロフェッショナルの権化のような有名コンサルタントですが、時々、スゴイ苦労人だなと思わせる瞬間が見えて「こんなに頭の良い人だけど、我々と同じように悩んだこともあるのだろうな」と親近感を覚えることがあります。

サンマルク創始者であり、昨年惜しくもお亡くなりになった片山直之さんとの対話では、「組織のシステム化」や「使われるマニュアル」がメインのテーマになっていました。

その中で、普段は明晰な言葉で考えを開陳する神田さんが、こんな具合にしゃべった瞬間があります。

「私思うんですけど、通常の人はなかなかその・・・システムと言ったって初めから綺麗に書けるワケじゃないじゃないですか」

これは、従業員の教育マニュアルのことですが、マニュアルそのもののことというより、作っている最中の経営者の苦心にスポットを当てて話している感じです。

「自分は書きながら思考しながらまた直すっていう、何回も何回もそういうのがありますよね」

会話の流れから自然に飛び出てしまった質問のフレーズであることが明白で、特に後段の最初の「自分は」が、文章にすると違和感があります。

これは神田さんが聴衆の気持ちの代弁者という立場を思わず離れて、ご自身の経験を言葉にしてしまったからのように感じられます。

大体、このくだりが妙にしどろもどろなトーンでしゃべっていて、どうにも神田さんらしくない。

(かなり苦労したんだろうな、マニュアル作り)

と思う一方、

(マニュアルを作ろうと、本気で取り組んだのだろうな)

という証だとも感じます。

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