青森県株式会社の【法人】鑑定を終えて<1>

青森県株式会社の鑑定編が、ようやく終わりました。
鑑定の様子を知りたい方はこちら
書き上げるまでに3か月もかかり、その間にいろいろな心境の変化もあったせいでしょうが、当初の構想とは大幅に異なる結末となりました。

『識者を擁する企業』という条件を軸にして苦境を脱出、という筋書きは最初から変わっていないのですが、社長の扱いは完全に正負がひっくり返りました。
運頼りでどうしようもないダメ社長を、優秀な社員たちがカバーするという一点に絞ってストーリー展開するつもりでいたのですが、青森社が東京と大阪の支社を撤収するトピックが発生したときに、私の頭の中でスイッチが切り替わったようです。

「この人が、支社の閉鎖にあたって、そう簡単に社員の首切りをするだろうか?」

ビジネスの手腕という点では、もともとが金持ちのボンボンなうえ、家具レンタルの商売については「楽にひと儲けできそうだ」と、割と安易な思い付きで始めたものです。
国家機関にコネがあったことで、そこに勤める事務官たちの手助けを借り、いわば『ゲタを履いて神輿に乗って仁王立ち』といった形で、そこそこの高さの目線を得ました。完全に、地に足がついていない状態です。

まったくもって『地力』とは縁遠い経歴ではありますが、彼は鷹揚な性格という一面を持ち、人好きのする空気感をまとっています。
そのため、自分の周囲の人々に対して、心理的に敷居が低い特性を持っている、というキャラクターでした(小説の登場人物として)。

そんな彼が社員たちを日ごろどう扱っているか、について色々と考えるうちに、
(青森社の社員はなぜ、お客さんの家具選びや間取りの相談までを受けられるほど、専門的な能力を持ち得たか)
という、「識者が育成された過程」に思い至りました。

彼らの多くが青森社に入社した頃というのは、会社は急激な上り坂で、社内は鳴るような多忙さです。じっくりとものを考える暇などはありません。とにかく目の前のことを片付け続けるのが最優先で、左脳的な仕事が要求される毎日でした。

そして、成り行きで出来上がっているスキだらけの業務オペレーションでは、膨大な注文をさばききることができず、ミスを連発し始めます。
それはやがてクレームの嵐へと姿を変え、ただでさえ多忙な業務の間に、お客の怒声として強烈に割り込んできます。

こういう時によく有りがちなのは、クレーム対応にてこずる部下が、上司にその相談をしても逃げ腰で頼りにならず、無理やり前面に出されて必死でしのいでいるところに、上層部からは助け舟どころか「もっと効率を上げろ! いつまで一人の客にてこずっているのだ!」とプレッシャーがかかる、という図式です。

こうなると、社員は不安になります。
「誰も助けてくれない。まともに話を聞いてもくれない。このままだと、つぶされてしまう」
社員が不安になると生産性が下がる、というのは公式といっていいでしょう。やがて、入っては辞め、入っては辞めが繰り返されるようになり、良くないことになるのは目に見えています(あえて細かく描写しません)。

ところが逆に、社員が安心感を得ていると、創造性が発揮されて業績が上がるとか、すぐには上がらないにしても、業績が上がる地盤となるような職場環境の形成が期待できます。

<続く>

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