<第7回>参謀、指揮官が最初に学んだ『総説』

私が思うに、参謀職というのは非常に地味な役回りで、知恵を絞り尽くした結論を、さらに簡潔な命令文章にするために頭脳に負荷をかけ、実戦行動に移った後は他人の手柄になるにもかかわらず、失敗した場合は自身がその責任を感じざるを得ない厳しい任務ですが、秋山真之が作戦を考えるときは、こういったことを緻密に無駄なくやっていたのではなかったかと思います。

戦争で作戦が失敗した場合、戦略目的の達成に弊害をもたらすことはもちろんですが、それにより多くの味方の人命が失われます(秋山真之は敵の人命のことも気に病んでいたようですが)。

人命がかかる数少ない実戦の機会に遭遇したとき、参謀は「計画立案」、指揮官は「実施部隊の統率」を、できる限り平常心で行うために普段から考え、心がけておかねばならないことを、学究の形で示したのが海軍大学校で講義された、『秋山真之戦術論集』の内容だと思います。

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